【むくんだ下肢から水が漏れる原因】とは?リンパ浮腫の合併症と予防法

下肢などむくんで張った部分の皮膚に小さな穴が開き、透明な黄色の液体が流れる現象を「リンパ漏(ろう)」といいます。

この液体が流れ出ることでむくみは減りますが、細菌感染の危険性が高くなり、蜂窩織炎の原因にもなります。

こまめに挙上(きょじょう)をしたり、運動、深呼吸など、ストレスにならない程度にむくみを予防する生活をしましょう。

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1.むくんだ下肢から水が漏れる原因とは?

リンパ漏とは

リンパ浮腫(ふしゅ)の合併症として、リンパ漏が生じます。

むくんで張った部分の皮膚に小さな穴が開き、透明な黄色の液体が流れる現象を「リンパ漏(ろう)」といいます。

また、患肢をケガしたあとの傷口や、皮膚のすぐ下のリンパ管が拡張して水疱状となった部分からリンパが外に漏れ出すことがあり、数日にわたり止まらないことがあります。

悪化すると皮膚潰瘍をつくることがあり、非常に治りにくくなるため、早期治療が大切です。

 

通常の傷への処置と同時に十分な圧迫を行なうことで改善がみられます。

 

むくみの予防法

むくみが出ない時期、まだ少ない時期からのリンパドレナージや、弾性ストッキングの使用は必ずしも好ましいとはいえず、悪化させてしまう可能性もあり、筋力低下にもつながります。

毎日のむくみをこまめに取り除き、ためないようにすることで、悪化を予防しましょう。

 

深呼吸

深呼吸は、呼吸ポンプの作用によって、静脈やリンパの流れを促進します。

息を3〜4秒吸って、6〜8秒くらいかけてゆっくりと吐きます。

ゆっくりと息を吐くことで、副交感神経の働きを高めることができます。

 

挙上(きょじょう)

長時間同じ姿勢を続けるなど、重力によって体液の循環が悪くなるため、流れを助けるようにときどき動くことが大切です。

 

《腕》

  • ときどき手や腕を心臓より高く上げ、ブラブラと振る など

《脚》

  • 座るときは正座をさけ、脚を伸ばしたりときどき動かす
  • 椅子に座るときは、足先を膝と同じ高さにする など

 

適度な運動

脚のポンプ作用により、血液やリンパを心臓へ送ることが大切です。

つま先の曲げ伸ばし、かかとの上げ下げ、ウォーキング、太もも上げ、踏み台昇降など、体力や生活に合わせてゆっくりとした動作で脚が疲れない程度の運動を習慣にします。

 

むくみ解消には、背筋を伸ばして、顔を上げ、一定のリズムで20分程度まとめて歩くことが有効です。

夕食後から就寝の1時間前までが適していて、ゆっくりと散歩するくらいの速さで行ないます。

 

朝は、1日で最も急激に交感神経の働きが上がる時間帯のため、血流が滞りやすく、血管も収縮しています。

血管が収縮すると筋肉が硬くなり、ケガをしやすくなるため注意しましょう。

 

2.リンパ浮腫とは?

リンパ浮腫とは

体の老廃物を運ぶ「リンパ管」の働きが、何らかの原因で悪くなることで、皮膚組織のある部分に体液がたまってむくみが起こる状態です。

生命にはかかわりませんが、放置すると悪化し日常生活に支障をきたしたり、細菌感染など合併症の危険性があります。

 

リンパ浮腫は、珍しい病気でも怖い病気でもなく、日頃の注意と適切な予防でそれ以上はむくまず、徐々に細くなっていきます。

 

リンパ浮腫の症状

主な症状は「むくみ」です。

乳がん、子宮がん、前立腺がんなどの手術でリンパ節が切除または破壊された場合は、切除された側の腕や脚だけが健康な側よりやや白っぽい浮腫があらわれます。

痛みはない場合が多いですが、感覚が鈍ったような違和感、重い・だるいなどの苦痛や不快感を伴います。

 

リンパ浮腫の種類と原因

一次性(原発性)リンパ浮腫

  • 原因は不明
  • リンパ浮腫患者全体の6%ほど
  • 先天性、早発性(35歳以前)、晩発(35歳以降)があり、多くは早発性である

 

二次性(続発性)リンパ浮腫

  • 主な原因は病気やがん治療
  • リンパ浮腫といわれるもののうち9割以上が二次性である

 

リンパ浮腫の段階

①潜在性リンパ浮腫(ステージ0)

  • むくみはなく、リンパ管の造影によってのみ異常が確認された状態
  • 腕や脚に重さ、だるさ、張りを感じることもある

 

②可逆性リンパ浮腫(ステージ1)

  • むくみは手首や足首に感じることが多い
  • 皮膚は柔らかく、指で押すとへこむ
  • 腕や脚を高く上げたり、朝なるとはむくみが軽減する
  • 繰り返しでむくみが次第に強まる

 

③非可逆性リンパ浮腫(ステージ2)

  • むくみの状態が徐々に強まる
  • 腕や脚を高く上げたり、朝になってもむくみが軽減しない
  • 皮膚は柔らかさと弾力がなくなり、指で押すとへこみにくくなることもある

 

④象皮病(ステージ3)

  • 腕、脚が極端に太く変形した状態
  • 皮膚の表面が硬くなり、ガサガサした角化が生じる

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3.リンパ浮腫の合併症とは?

蜂窩織炎(ほうかしきえん)

  • 蚊に刺されたような赤い発疹や広範囲の発赤が見られ、熱と痛みを伴うこともある
  • リンパ浮腫患者の半数以上に発症する細菌感染
  • 部位により、蜂窩織炎・丹毒・リンパ管炎に分けられることもある

 

リンパ管炎

  • リンパ管に沿って赤い線状にみえる炎症・蜂窩織炎と同義語に使われることもある
  • 二次性リンパ浮腫要因になる一方、リンパ浮腫経過中に合併する場合もある

 

リンパ漏

  • むくんで張った部分の皮膚に小さな穴が開き、透明な黄色の液体が流れ出る現象
  • むくみは減るが、細菌感染の危険性が高くなり、蜂窩織炎の原因にもなる
  • 治りにくいため、早期治療が大切である

 

角質、痂皮(かひ)、イボ形成

  • 象皮病にかかり長く経過すると、皮膚が硬く変化し、かさぶた城になったりする

 

リンパ管肉腫

  • リンパ浮腫経過中に合併する悪性の腫瘍
  • 内出血している状態

 

4.リンパ浮腫の症状を軽減する生活のポイントとは?

挙上と日常的な予防

こまめに、腕や脚を心臓より高く上げること(挙上)とともに、以下の日常生活での予防が大切です。

心への負担を減らし、できることを気楽に継続することが有効です。

 

ケガや傷の予防、消毒

  • 深爪にしない
  • ささくれや甘皮はむかない
  • 虫さされを予防する
  • 虫に刺されたら掻かずにかゆみ止めクリームをぬる
  • ペットにひっかかれたり、噛まれないように注意する
  • ムダ毛の処理はカミソリを使わず、除毛クリームや電動式を使用する
  • 包丁、揚げ物、アイロンなどケガの可能性のある家事に注意する
  • 湯たんぽ、ホッカイロなど低温やけどに注意する
  • 傷がついたらすぐに消毒をする など

 

皮膚の健康・清潔を保つ/ スキンケア

  • 乾燥や肌荒れを防ぐため、クリームやローションをぬる
  • 長袖、帽子、日傘、日焼け止めなどで日焼けを防ぐ
  • 皮膚を清潔に保つため、こまめにシャワーを浴びたり、入浴をする
  • 汗をかいたらふき取る

 

  • 熱い湯の長湯、高温のサウナ、岩盤浴はむくみを誘発するため注意する

 

患部を圧迫しない、使いすぎない

  • 衣類、靴などで圧迫や締め付けはしない
  • バッグやリュックなど重い荷物などでの圧迫をしない
  • 布団など、重いものを持たない
  • 適度に休息をとる
  • 寝返りしやすい寝具を選ぶ
  • テニスやゴルフ、バレーなど腕に負担がかかるため注意する

 

適正体重を維持する

  • 肥満によりリンパの流れが悪くなるため、体重管理をする

 

自律神経のバランスを整える

  • 朝起きたら水を1杯飲む・光を浴びる
  • 朝・昼・晩の3食、規則正しい時間に食事をとる
  • 腸内環境を整える
  • 夕方から夜にかけては興奮するようなことは避け、副交感神経の働きを高めて質の良い睡眠をとる
  • 心地よい・リラックスできる香りを嗅ぐ
  • 朝は少し早く起きて、1つずつの動作をゆっくり行なう など

 

5.まとめ

リンパ浮腫になると、腕や足のむくんで張った部分の皮膚に小さな穴が開き、透明な黄色の液体が流れ出たり、患肢をケガしたあとの傷口や、皮膚のすぐ下のリンパ管が拡張して水疱状となった部分からリンパが外に漏れ出すことがあります。

このように水が漏れる現象を「リンパ漏(ろう)」といい、数日にわたり止まらなかったり、悪化すると皮膚潰瘍をつくることがあり、非常に治りにくくなるため、早期治療が大切です。

 

自律神経のバランスを整える、リラックスする時間をつくるなど、脳や心のストレスを減らすようにして、挙上、運動などの体を動かす生活を行ないましょう。

 

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