血行促進と体温の関係とは?体熱を放出する・生み出すしくみ

体温の調節は、脳の視床下部と皮膚で感じ、熱を下げる熱放散と熱を生み出す熱産生の仕組みによっておこなわれています。

体温には概日リズムがあり、規則正しい生活習慣により、活動と睡眠のリズムをつくることが大切です。

つくられた熱エネルギーを、血行促進によって全身に運ぶことで免疫力の向上にもつながります。

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1.血行促進と体温の関係とは?

体温の基礎知識

体温は、部位によって違いがあります。

手足や顔など、体の末端や表面の温度は、季節や環境の影響を受けて『変動』しやすい、体の中心部の温度は、脳や心臓などの大切な臓器の働きを保つために、『高く安定』しています。

 

この体の安定した『深部体温』を『中核温/核心温』などと呼び、これを測れば、安定した指標としての体温を知ることができますが、体の内部なので日常的には測れません。

そのため、体に負担をかけずに簡単に検温できる場所として、ワキ(腋窩)、口(舌下)、耳、直腸など、体と表面に近い場所が用いられています。

 

測定する部位ごとに検温に必要な時間や方法に違いがあります。

平熱も部位によって異なるため、それぞれの部位の平熱を知る必要があります。

 

身長や体重と同じように、体温にも個人差があります。

子供はやや高く、お年寄りはやや低めですが、人によって違いがあります。

乳幼児は、熱産生が活発ですが、体温調節機能はまだ十分に発達していないため、熱放散がうまくいかず、日常生活においても発熱しやすい傾向にあります。

高齢者は、加齢とともに熱産生が弱まり、体温調節機能も低下していくため、体温を維持する力が弱くなり、体温が低くなる傾向があります。

 

血行促進と体温の関係とは

血液は、体のすみずみの細胞まで酸素や栄養素を運び、二酸化炭素や老廃物を回収する働きとともに、ウィルスや細菌に対する防衛や、体温の維持と調節する働きをしています。

 

深部体温は、脳や内臓の活動に最適な36.6~37.0℃に保たれています。

冷え性など、末端の手足が冷えている場合、血行促進をすることで、深部体温を全身に送ることができ、体温が均等になって、全体的に体温が上がったように感じます。

しかし、食事や筋力低下などの影響によって深部体温も冷えてしまうことで、免疫力が低下するなど体の機能が低くなります。

食事や運動、睡眠、入浴などで冷えを防ぎ、筋力を高めることで根本的に低体温を改善するようにしましょう。

 

高血圧、高血糖、脂質異常、動脈硬化、肥満を予防・改善して血行を促進することで、代謝などにより生み出された熱エネルギーを血液によって全身に運ぶことができます。

 

体温と体の機能

人の免疫機能が最もよく働くのは、深部体温が37℃前後の時です。

深部体温が35℃台になると体の機能に障害が出始め、34℃台になると体を思うように動かせなくなります。

また、40.5℃以上でも体温調節機能に障害が出て、自力では体温を下げられなくなります。

 

2.体温の恒常性と概日リズムとは?

体温の恒常性

ヒトは『体温の恒常性』の機能を備えているため、夏でも冬でも、外気温に影響されることなく一定に保たれています。

この体温調節機能は、鳥類や哺乳動物の生体恒常性(ホメオスタシス)の一つであり、その特徴ともなっています。

 

暑さを感じる身体のセンサー

【皮膚】

  • 外気温を感知する

【脳の視床下部】

  • 体内の温度を感知する

 

寒さを感じたり、体温が低くなった場合は、自律神経の働きにより血管を収縮、血流を減少させて体内の熱が奪われないようにしたり、筋肉を収縮させて震えを起こし、熱を産生します。

暑さを感じたり、体温が高くなった場合は、自律神経による血管の拡張や発汗によって放熱し、体温を下げたり、上昇を防ぎます。

 

なお、ホルモンの分泌異常や自律神経のバランスの乱れなどで発汗することがありますが、これらはホメオスタシスとは別の現象です。

 

体温の概日リズム

体温は、1年を通してほぼ一定ですが、1日のなかでは約1度ほど前後します。

午前3時~5時頃に最も『低く』なり、午後5時~6時頃に最も『高く』なり、これを『概日リズム』といいます。

 

また、熱が出る病気にかかっていなくても、運動、時間、気温、食事、睡眠、女性の性周期、感情の変化などにより体温は変動しています。

 

3.熱放散とは?

『体の外に熱を放出する』働きを『熱放散』といいます。

 

熱放散の主な分類

  1. 輻射(ふくしゃ)
  2. 伝導・対流
  3. 蒸発

 

(1)輻射(ふくしゃ)

体からは、絶えず電磁波(赤外線)が放出されていて、『常にほんのりと熱を放出している』ことをいいます。

輻射によって体から放散される熱は、全放散量の60%にもなります。

 

(2)伝導・対流

『人間の体に触れているものへと熱が伝わる』ことで熱を放出します。

 

伝導

伝導とは、『熱が体や周辺に移動していく』ことで熱を放出します。

体に接触している物体(椅子や布団など)に、熱が移動することをいいます。

 

対流

気体は、『高い温度は上昇し、低い温度は下降する』という性質を持っているため、輻射や伝導などによって、人間の体表面の『温められた空気は上昇していき、冷たい空気が下降していくという流れ』が起こります。

人間のまわりの空気は、とどまることなく循環し、それにより、わたしたちは熱放散をし続けることが出来るという仕組みになっています。

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(3)蒸発

『水分が気体に変わる現象』によって熱を放出します。

皮膚や気道から出た水分が蒸発するときに、同時に体から熱を奪っていくことで、熱放散がおこなわれます。

 

発汗

汗が蒸発し、気体になるときに発生する気化熱が、体の熱を放出します。

 

不感蒸泄(ふかんじょうせつ)

皮膚や呼気など、汗以外の水分が蒸発することにより熱を放出します。

 

4.熱産生とは?

物質を『代謝して熱を産みだす』働きを『熱産生/熱生産』といいます。

代謝とは、食事などにより外部から取り入れた栄養素から他の物質を合成したり、エネルギーに変換したりすること、酵素の働きによって起きる体内での化学反応です。

 

熱産生の種類

  • 代謝による熱産生
  • ふるえによる熱産生
  • 非ふるえによる熱産生

 

代謝の分類

同化作用(生合成)

  • 修復や成長身体を合成する代謝
  • 摂取した食物などを体内で分解して栄養素となり、それを各組織に送り、脳や内臓、血液、筋肉、皮膚、体脂肪などをつくる
  • 食べ物を消化する、血液をつくる、髪や爪を伸ばす、骨や皮膚を常につくりかえるなどの『新陳代謝』にエネルギーが使われること

 

異化作用(代謝)

  • エネルギーに換え、(ATPを合成して)、使われる代謝
  • 脳でものを考えたり、内臓や筋肉など身体を動かしたり、体温を保ったりするためにエネルギーを利用する

 

消費系(エネルギーとして利用する)代謝の主な分類

  1. 基礎代謝
  2. 生活活動代謝
  3. DIT(食事誘導性体熱産生)

 

(1)基礎代謝(消費系代謝の約70%)

  • 体を動かさず安静にしているときに、呼吸、体温調節、内臓活動など生命維持のために使われる最低限必要となるエネルギー

 

(2)生活活動代謝(消費系代謝の約20%)

  • 日常生活で動いたり、運動をしたりなど、体を動かすときに使われるエネルギー(活動する強度や時間によって変わる)

 

(3)DIT:食事誘導性体熱産生(消費系代謝の約10%)

  • 食事を摂ることで、消化吸収の過程で一部が熱となって消費されるエネルギー

 

筋肉の稼働、肝臓における三大栄養素の代謝やアルコールなどの解毒処理、胃腸の消化吸収、腸の蠕動運動、体の修復(細胞の修復)など、広い意味での代謝が発生する際には、エネルギーとして『ATP(アデノシン三リン酸)』が使われます。

このATPというエネルギーが使われるときに(ATPが生成される過程も含め)、熱エネルギー(体熱)が発生します。

 

ATPを生成するミトコンドリアの80%は骨格筋に存在する、と言われています。

ミトコンドリアは、筋トレや有酸素運動をおこなうことにより増加し、ATPの代謝の量とスピードが上がり、ついては熱エネルギー産生を促進することにつながります。

 

また、運動を伴わずに体熱が生み出される仕組みも備わっています。

それは、ホメオスタシスのひとつである体温の恒常性により、冷えを感じると、首、脇の下、肩甲骨近辺、腎臓などに多く存在する褐色脂肪細胞内のミトコンドリアが、脂肪を使ってダイレクトに熱エネルギーを産生する、というものです。

冬眠する動物や、自由に動き回れない乳児が体温を維持できるのは、この褐色脂肪細胞が多くあるためと言われています。

 

ふるえによる熱産生

骨格筋の小刻みな収縮(シバリング)によって生体内で熱が産生される現象です。

主に、寒冷環境への馴化現象としてみられます。

 

非ふるえによる熱産生

骨格筋の小刻みな収縮(シバリング)を伴わずに、生体内で熱が産生のされる現象です。

肝臓や褐色脂肪組織などでおこなわれ、体温の維持や代謝の向上に重要な役割を果たしています。

 

非ふるえ熱産生は、ホルモンの一種であるノルアドレナリンによって主に調節されていると考えられています。

 

5.まとめ

深部体温は恒常性の働きによって常に安定に保たれています。

日常生活において常に熱放散と熱産生がおこなわれ、免疫力にも深く関わっています。

 

代謝によって生み出された熱エネルギーは、血液によって全身に運ばれるため、健康維持のためには、血行促進をすることが重要です。

体を冷やす食べ物や飲み物を食べ過ぎない、体温の概日リズムに合わせて睡眠をとり、夕方に運動をする、筋力低下を防ぐなど、体温とともに免疫力を下げない生活習慣を身につけましょう。

 

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